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LUNATIC DOLL・4

LOVE MAKER




TRRR TRRR…
携帯電話のむこうから、聞き慣れた呼び出し音が聞こえてくる。
 かちゃん。
『はい、葛城です』
「あ、哲理ィ? あたし。あのね…」
『ただいま電話に出られない状態です。18:00すぎにかけなおされるか、又は…』
つながった、と思いきや、耳に入ってきたのは、おなじみの取り澄ました、声。
「ちぇーっ」
つまんないの、とつぶやきながら、おきまりの信号音を待つ。考えてみれば今日は土曜日。 定休が水曜日の哲理は会社の中だ。ましてや今は9月。忙しさの真っ盛りに違いない。 夜だってつかまらないかもしれない。まあ、それをすっかり忘れて電話してしまうところが美古都の美古都たるゆえん… もとい彼女らしいところなのだが。と、そうこうしているうちに、ピーッという音が耳に届く。
「もしもし、あたし。話があるの。仕事のはなし。哲理じゃないと駄目なの。携帯でいいから、聞いたらすぐ電話して。よろしくう」
言うだけ言って、電話を切る。
ふぅ。
はたして哲理は乗るだろうか。
ま、引き入れるのは、そう難しいことではないだろう。確かに『仕事はもうしない』と宣言をしている哲理だが、 人に頼まれて嫌とは言えないのが彼女の性分だ。利幸も友美も、哲理には可愛い後輩である。 おまけに美古都がこの『仕事』を引き受けたと知れば、ほおっておいてもお節介をやいてくるだろう。 ただその場合、美古都は嫌味や小言をさんざん言われねばならない。それは御免こうむりたい。
というわけで、先手必勝。
先に話を通しておけば、小言も最小限ですむ。
それに「哲理がいなくちゃ駄目なの〜」なんて甘えた声で言えば、顔をしかめながらも内心ほくほくで協力してくれるに違いないのだ。 腐れ縁で長いことつるんでいるおかげで哲理のツボはよーく心得ている。 女の子の甘い声ほど、哲理を唸らせるものはないのだ。たとえ10年ちかくつきあっている友人であっても、だ。
美古都にとっても都合がいい。何度か一緒に危ない橋を渡ったおかげで息は合うし、 能力の方だって互いに熟知している。哲理は昔の『力』はもうない、と言っているが、そんなことがあるはずはない。単に自分で封印しているだけだ。 彼女の場合は常人の『サイキック』とはわけが違う。消えるはずはないのだ。決して。 たとえ…――世界がみな元に戻って、昔ながらの喧騒に満ちた、だが平和で穏やかな時代がもう一度やってきても。 哲理はもう、もとの彼女ではない。その刻印は、彼女の身体が朽ち果てるまでその身に在るのだから。
いいや、哲理だけではない。自分も、仲間たちも、元には戻れない。刻印の有無ではないのだ。そう、何もかも…。 「現実」を知った子供が、何も知らなかった無邪気な頃には戻れないように。 物質の氾濫する『現実』がどれほど確かに見えても、それだけが『真実――ほんとう』ではないことを知ってしまったから。
これまでも、これからも。
あの『暗黒期』は世界を変えた。
そしてその中で、子供から大人への過渡期を過ごした自分たちは、この時代の申し子なのかもしれない。
美古都はかけ終わった携帯を見つめ、それをバッグに戻すと、ゆっくりと立ち上がった。

  ――――――――――――――――――


ニンシン?!」
  街の中央の洒落た喫茶店で、哲理は友美と向かい合って座っていた。 耳の遠くで、新天町の鐘が四時のメロディーを奏でている。 人々のざわめきが、ゆっくり流れてくるこの場所では、何もかもが、こともなく流れていくかのようだ。 たとえ幽霊同士がお茶をしても、お金を払ってくつろいでくれれば、大事なお客様である。 外の暑さとは裏腹に、店内は冷房がきいて気持ちよい。この街は、そしてそこに棲息する人間達は、 昔通りのなごやかなティータイムを、変わらず楽しく過ごしているのだ。
「妊娠した…って、あんたが?」
唖然。目を見開いて口を開けて、ついでに大声で言ってしまってから、哲理はやっと、まわりの冷たい視線に気が付いた。 台詞のせいか、はたまた大声のせいか。
「先輩、声が大きいですよお」
目の前で、友美がぶすくれた顔をしながら、しーっ、と指を口元にあてる。
「ご…ごめん。その、驚いちゃって…ホントに?」
「検査はまだなんですけどね。でも、多分間違いないです。」
「はあ、そう。そりゃ、どうも…おめでとう」
興奮さめやらず、である。
無理もない。そろそろ年頃とはいえ、まだ仲間うちでは誰も結婚していない。 もちろん、友美だって結婚しているわけではないのだが。それが突然、『お母さんになりました♪』では驚いても仕方がないというものだ。
「にしても…そのこと、利幸、どう言ってるの?もう話したの?」
「いいえ…」
しょんぼりした声で、友美が応える。
「なに?…なにしてんだよ。早く籍入れるとか、せめて親に了承取るとか…」
「駄目なんです」
「は?」
「今、彼、大事なときだもの。まだ卒業まで二年あるし、国家試験だってあるし。 未だに親のすねかじりでしょう?そんな話題、出せないんです」
利幸はQ大の医学部に在籍している。ストレートで入学して今は4年目。 卒業し、国家試験に合格すれば、親の経営する病院へ勤めることになるだろう。 なにしろ、ぼんぼんなのだ。だが、六年間、勉強に勉強を重ねても、そううまくいくかどうかは判らない。 そして利幸の性格から考えても、こういう話題は避けた方が確かに無難だ。 ただパニックを起こしてしまうだけ、というのが関の山だろう。だが。
「そーいう問題じゃないでしょう。トシが単位おとそうが落第しようが、国家試験に失敗しようが、何度でもやり直しはきくけど、子供は産まれるのをまっててくれないんだよ」
「わかってます」
「じゃあ!」
「でも、駄目なの」
「なんでだよ」
語気も荒く問いただす哲理に、友美はいっそう、うつむくばかりだ。
「…トモ!」
「―― 最近、うまく、いってないんです」
ぽつり、と友美がつぶやくように言った。
「へ?」
「なんだかいつも、ぎくしゃくしてるの。一言も喋らない日もあるんです。前はこんなじゃなかったのに。 私の具合が悪くっても、しらんふりしてるし。なんだか私のこと、さけてるみたいだし…」
「避けてる?」
「ええ」
うなずいて、自分の髪をかきあげ、困ったように笑った。
「避けてるっていうか、遠巻きにして。でも見てるんですよね、必ず。 私が考え事なんかしている時も、ふっと利幸の方を見たら、じっとこっちを見てて。でも慌てて視線をずらすんです。」
「はあ…」
想像がつく。もともとなんというか、要領のわるいところがあるのだ。利幸は。 しかし、友美だって二年も暮らせばそんなことはとっくに判っているはずである。
「うまくいってない割には、子供はできるわけね」
「まあ、別にうまくいってなくても、出来るものは出来ますから」
「あ、そう…」 思わず、コーヒーがむせる。
「もう、私、どうしていいのか…なんだかいらいらしちゃって…」
ちょっと笑って。涙声。
「トモ…」
心当たりというか…。男性がそんなそぶりを見せるときというのは、大抵相場が決まっている。 が『浮気』という二文字を出すのは、今の友美には辛いだろうし、それにあの利幸が器用に浮気など出来るはずもない。 それにもしかすると、そうではない別の可能性だってあるのだ。
(まさかね…)
人のことは言えないが、利幸も相当の「どん」である。 あのにぶさで、友美の妊娠や、あの"なにか"に気が付いているとは思えない。
「ごめんなさい」
「いや、わしも考え無しだから…」
なんともきまりが悪くなって、哲理は冷えたコーヒーを、思い切り音を立ててすすった。
タバコを吸おうかと考えて、目の前にいるのが『妊婦』だと気付く。
(まいったなあ…)
おそらく、自分には縁のないことである。自分の『事情』では、子を産むどころか、 命をその身に授かることさえかなわないだろう。友美を見つめる自分の心のどこかに、 嫉妬に近い感情があるのを否めず、そっと苦笑いした。
「ま、どうこう言ってても仕方ない。とにかく、利幸に言わなきゃはじまらないよ」
「わかってます…でも」
「駄目。先刻も言った。大学や試験なんて幾らでもやりなおしがきくんだから。 今までだって、あいつの面倒見てきたんだから。子供は大事にしなきゃ。 まさか堕ろすなんて考えてないだろうし?」
「…おろす…?」
虚ろに友美がつぶやく。
「そうだよ。それは駄目だからね。あんたもトシも健康なんだし、ふたりで頑張ればなんとでも…と…トモ?」
「…この子を…」
ゆっくり、空気が濁りはじめていた。
友美の顔がすうっと上がり、哲理の方を見つめる。虚ろな、濁った光が、瞳の中にあらわれてくる…。
にい、とくちびるが歪んだ。
「…友美…」
「…この…子を…ドウ…するト…?」
友美の口から、いびつな発音で言葉がつむぎだされる。無理に合わないキイを並べているような、耳に嫌な感触が残る音だ。
(こいつは…)
「コノ子をどうナサるおつもりジャ…?」
友美の髪の毛が、ざわ、とうごめく。ぱりぱちと空気が音を立てる。 哲理の全身が総毛立っていた。自分の体の中にある"血"が、『反応』しているのだ。
「お前…なに、だ?」
「く く く…」
笑っている。嘲笑っているのだ。
「こんなところで何をしている…」
「ワレと…わが身…をキ…クか、魔…の裔ヨ…」
「なに?!」
「この子は…殺さセ…ぬ…コノ…子だ…けは…ワレは…ッ」
ぱあん!
空間が、弾けた。
「貴様あっ」
途端、辺りかまわず、一面に黒いものが飛び出てくる。 魑魅魍魎、虫が湧き、蜥蜴が飛び、蛾が舞い、蛙が走り出す。実体のあってないもの。 心の闇の集まるところに、いつの間にか巣くう、影のあって命のないものたち。 人々のまわりで蠢くものが、実体となって現れたのだ。
(ま、まずっ…)
「きゃーっ」
「な、何なのよ?!」
「誰か、保健所…警察呼んでよおっ!」
客が騒ぎ出す。
失態だ。こうなる前に、先に誘い出すべきだったのだ。だが、まさか…
(こうやって出てくるなんて…)
焦りを感じながら哲理は立ち上がった。目の前で哲理を見つめている友美…いや、 その中に『在る』ものは、瞳ににぶい光をたたえたまま、こちらの方を向いてにやりと笑っている。 哲理は歯を食いしばった。このままにはしておけない。しかしこの状態を片づけるのが先決だ。
『気』を両手に集め、それを合わせる。目を閉じ、この店の隅々までそれを張り巡らせる。 魍魎たちのうごめく間をぬって。このさいまともな『サイキック』の到着を待っているわけにはいかない。 今、この場を納められる人間は、おそらく、ただひとりだ。
脳裏をよぎる光。
(10・9・)
頭の中で起こる、カウントダウン。
(8・7・6…)
頸から、肩から、腕から
(5・4…)
あわせた手、哲理の全身から…仄かな、冷たい光のようなものが浮かび上がる。 そしてそれに魅せられたかのように、魑魅魍魎たちは群れ、うごめき、這い回りながら、彼女のそばへと集まってくる。
(3…2…)
その身に、『気』が満ちる。
(…1)
両手を組んで上げ、かっ、と目を開く。
「渇っ」
ぱしいぃん!
散らす。
瞬間、閃光が起こった。
次に、衝撃が来る。どぉんというにぶい音がして、人々の間に静電気のようなものが走った。
ひゅっ
時をおかず、その『気』をすくい集めるように手をさし上げる。 集まってきた”もの”たちがあがくように、哲理の両手のまわりにたかっている。「散らされ」たものたちの残骸だ。
(来い!)
その"ものたち"をまとわりつかせたまま、哲理は『気』を飲み込んだ。
( ――…痛っ…)
全身に鋭い痛みが走る。店中の、あの不気味なものたちは、彼女のからだを這い、喰いちぎり、呑み込み…そして…
消えた。
同化したのだ。哲理の”血”の裡に。
空気が、戻ってきていた。
ゆっくりと、体中で深呼吸する。
『酸素』呼吸ではない。『生気』の呼吸。
哲理にとっては、文字通り自然なことだ。だが滅多にやらない。知らないうちに、人の生気を吸い取ってしまうこともあるからだ。
哲理は吸血鬼ではない。
そうあってはならない。
…ふぅ。
くらくらする頭を押さえながら、辺りを見まわす。
お客たちが、のろのろと動いている。衝撃で倒れていた者、椅子に座ったまま気を失っていた者など、様々であった。 皆ショックは免れないが、見たところ、『魔』に侵されたり、喰われたりした者はいないようだ。
(なんとかなったか…)
ほっとして友美の方を見やる。
「トモ…」
彼女は気を失って、テーブルに突っ伏していた。飲みかけのレモンティーは床にこぼれ、割れたグラスのかけらが光っている。
「トモ、しっかりして」
肩をゆする。うーん…と唸って頭を振り、友美は顔をあげた。気が付いたようだ。
「…哲理先輩?…なんで…あ」
こちらを向いた顔に、先ほどまでの気配は全くない。
あの連中が消えたのと同じく、”あれ”も消えてしまったのだろうか。
いや、消えるはずはない。この程度で消えるような質感ではなかった。 もしそうなら、哲理の中にいるはずだ。だが、そんなものは何処に感じられない。
(なんだったんだ…)
「大丈夫?」
「ん。…何が起こったの?…話してたのに」
「"連中"が出てきたんだよ。もう消えたけど。ほら、立てる?」
「大丈夫…だけど…」
うっ、と口を押さえて友美は顔をしかめた。吐き気がするらしい。
(つわりかな)
「しっかりして、ほら、トイレ行こう」
「ん…」
ふらふらしている。無理もない。哲理のすぐそばにいて、おまけにこの騒ぎの原因かもしれないのだ。 一番衝撃を受けていて不思議はない。
「トモ、ほら」
「大丈夫。先輩、そろそろ時間じゃないの」
「え?」
慌てて時計を見る。確かに戻らねばならない時間まで、あとわずかだ。
「まあいいさ、それより…」
「いいって。ひとりでいける。お願い、ひとりにして…」
「トモ!」
「なんだかひとりになりたいの。心配しないで。また…相談に…」
言いながらトイレへ駆け込む。
どうしようか、と哲理は思った。ここで社に連絡して、帰りを遅らせることは出来る。 だがもちろん仕事には差し支えるし、あとあと嫌な思いもすることになる。 それに、そろそろお役所の『サイキック』が登場する頃だ。見つかれば自分の仕業だとばれてしまうだろう。 また小言をくらうのは御免だった。
(トモ、ごめん…)
伝票を取って、哲理は席を立った。 お客はまだ床に倒れていたり、テーブルにふせっていたりで、店員達もいそがしそうにしていたが、おごると言った手前、食い逃げはできない。 少し多めの金額を添え、伝票をレジに置いた。
「おごちそうさま」
声をかけて、まるで逃げるように外に出る。
眩しい。
陽の光といっしょに、熱気がむわっと吹きつけてくる。
久しぶりに”連中”を飲み込んだせいで、体力を思い切り消耗したのだ。 足元がふらつく。そのまま『消化』するには、すこしばかり数が多すぎたらしい。
(しばらく、もたれそ…)
食あたりならぬ『気』あたりというところか。
まともな人間なら、反対に喰われているところだ。そうならないのは哲理の『事情』のおかげだったが…。
(かえって呼んじまったかな…)
ちぇ。
思わず舌打ちしてしまう。――と、サイレンが聞こえてくる。振り向くと、ちょうどパトカーが到着するところであった。 警官が車から降りてきて、喫茶店の中に入っていく。そして、その後にひとりだけ私服の男が現れた。 哲理も顔見知りの、お役所公認『サイキック』、それも特に苦手な男だ。
(やば…)
さっさと逃げ出そうとして、それよりも早く、男の方が気付いた。
「――おい、葛城じゃないか」
呼ばれて知らん振りというわけにもいかない。あきらめて向き直り、頭を下げる。
「ひさしぶりですね。――伊藤さん」
「なんだお前、その恰好、…仕事中か」
「まあね。ちょっと社用でここまで。なにかあったんですか?」
すっとぼける。
「ああ、通報があってな。突然ばけものが飛び出してきて、おまけにその後衝撃が起こって消えちまったっていうんだ」
「そりゃあ、物騒だな」
心の中で苦笑いする。
「天神近辺はとくに、結界を二重にはってるから、変な奴らは潜りこめんはずなんだが。 まあ、時にはほころびがでるのかもしれんな」
「そうですか」
てめえの仕事なんて、いつも手抜きじゃないか、と思ったが口には出さない。
「そうですか」
「なにしろ、お前だって、、、、、ここで、ピンピンしてんだからなあ」
そう言って伊藤はにやにやと笑う。
むっ。
哲理の顔が曇る。
言いたいことは判っているが、何もこんなところで言われる筋合いはない。少なくとも立場上、哲理は普通の一市民なのだ。
「何のことだか。ま、しっかり調査して下さい。そんな事件がしょっちゅうあったんじゃ、おちおち仕事も出来ない。」
「よく言う。――そうそう、斎のお嬢にも伝えとけよ。素人が余計な顔をちらつかせるなってな」
「どうも」
もう一度頭を下げ、哲理は会社に向かって歩き出した。後ろで伊藤がにやにや笑っている。時間がないというのに、とんだ道草だ。
(ばかやろう。美古都が何してようが、わしの知ったことじゃないわい!)
折角の昼休みだというのに、ろくなことがない。まあせめてあの伊藤につかまって、 調査に立ち会わせられないですんだ事が、不幸中の幸いというところか。…だが、伊藤は哲理を知っている。 現場をお得意の『霊視』で観察すれば、すぐに哲理が店内にいたことを知るだろう。そう。 原因はともかく、"連中"を消したのが哲理だと言うことも。
(災難、さいなん)
おまけに友美の件はまるきりの未解決だ。利幸のことだけではない、そう。
あの気配。
まずいことにどうやら『喧嘩』を売ってしまったらしい。
おそらく友美はなにも気付いていないだろう。早いうちになんとかしなければ。ただでさえ、彼女は今、子供を――
子供?
(まさか…)
あれは、子供の、胎児の、『意思』なのか?
(そんなばかな…)
最初に感じたときにきたのは、あれがまだ、目覚めていないということだった。眠っているもの。おおきな。
(そんなはずはない。)
胎児自身がそんな『意思』など持てるはずはないのだ。余程のこと――何か特別な 『干渉』がない限り。そんなことをすれば、子供にも母親にも負担がかかる。生命、精神、どちらも病んでしまうだろう。 それはすなわち『邪道』だ。
だが、もしそうだとしたら…
(やっぱり、さっさと調べさせよう)
生まれてくる子供のためにも。友美の、そして利幸のためにも。

会社に帰り着いたとき、哲理の頭の中は、既に仕事から遠く離れていた。

TO BE CONTINUED…


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