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永遠の黙示録

〜 有明海月とLUNATIC DOLLに捧ぐ〜

by
aki Wise Fact Gnosis



既に何が正常で何が異常なのか良く解らなくなっていた。

声は「正常と異常の区別など誰にも出来ないのだよ」と囁く

しかし、そう言う矛盾は果たして受け入れる事が出来るのだろうか

と自分自身に問い掛ける。

異形と人間との区別とは何なのだろうか

二重螺旋の話では無い

もっと観念的で根源的な問い

現世に現れ出る存在としてどう、どこに差異があると言うのだろうか

彼等に最も近くに存在するが故の疑問

声は何も答えてくれず

唯、闇の中に放り込まれる

悲劇は永遠に続くが

幸福に永遠は無い

何故なのだろう

死は永遠と言う事と同じなのだろうか

聖と邪

正と負

生と死

全ての相反する事柄の間を縫い行く事は出来ないのだろうか

声は笑いながら「君には不可能だ」と言う

「既に片方の道を選んでしまったのだから」

「そうして君は人間になったのだ」

否、そうでは無い

「それは解っている」

「それでも、君は人間としてそこに居る事を選んだのだ」

異形でさえも、人間としての有り様を手に入れれば

人間として足り得ると言う事か

しかし、それは嘘では無いのか?

「君は人間だろう?」声は言う

答えを返す事すら出来ない

「違うのか?」

人間だよ、と虚勢を張る事しか出来ない

「人に後悔の無い者など居ない」

後悔とは人である証拠なのか?

答えは無い

両面価値感情の中、彷徨い続けるしか無いのだろうか

二つの相反する物、二重螺旋

それが人間の人間たる証拠なのか

人間になる方法2つのものに縛られる道

異形より逃れ得る為の道

「人間だとて苦しんでいるだろう」

「君然り、君の知る者も然り」

どうしろと言うのだろう

何も無いはずだったこの躯に

今は、哀しみと苦しみしか無いこの躯に

何を植付けようと言うのか

人を殺め、異形を屠る力

「時に甘い期待を寄せるのはもう止めにしたらどうだ」

何を誰を待っていたのだろう

「君には時に約束を託す様な力なぞ無いのだ」

「時が裁くのでは無い、裁くのは常に躬らの心だ」

言い返す事など出来はしない

「時が許すのでは無い、許すのは常に躬らの心だ」

言われなくても解っている

「そして躬らの心と言うのは須く幻想なのだよ」

何だと?

「幻想と現実の違いは何処にある?」

また、再び二重螺旋

「つまり、血で血を洗うと言うのは無駄では無いと言う事だ」

それは躬らの血であっても?

「無論」

「光に向かう事は闇に向かう事」

光とは何だ、そして闇とは?

「光と闇は同じものでは無いが不可分な物ではある」

では、その因果からは抜け出す事は不可能なのか?

永遠にその因果の中を苦しみ巡らねばならんと言う?

「その通り、私以外の全てはね」

お前は何者なのだ?

「混沌」

混沌だと?

「全てを受け止め、全てを識り、全てを見るもの」

「そして、全てに居るもの」

お前は光も闇も関係ないのか?

「そうだ」

善と悪、聖と邪さえも?

「その通り」

全ての因果から解放されて居ると?

「そう言う事だ」

どうすれば混沌となり得るのだ?

「君には資格が無い、不可能だよ」

何故?

「もう君は人間を選んでしまっているからだ」

違う

「故に他のものにはなれはしない」

違う、違う

「それにね、君は私に負けた故、人間となったのだ」

違う、違う、違う、違う

「しかし混沌に数と言うものは無い」

違う、違う、違う、違う

「然れども、君は永遠に混沌にはなれない」

違う、違う、違う、違う、違う

「虚無風情が限界だ」



紅い月は流れ落ちた血の色

太陽の赤は脈打つ血の生命の謌

選び、そして歩き出したはずだった

しかし今はどうだろう

声は言う「君の目的は何だ?」

最早、生きる目的すら見失っている

目の前にあったはずの全ては、もう






――LDと、私に、この言葉を下さったakiさんに、深く、心から感謝します。
ありがとう。

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