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◆栗本 薫とは…


このサイトの主旨、それは栗本薫の作品について語ること(^^;)――というわけで、 作品を生みだしている作家『栗本 薫』さんについてちょっと触れてみます。


◆基礎知識

■経歴

  栗本 薫(くりもとかおる)

別名に中島梓。
東京生まれ。早稲田大学文学部卒。
1977年中島梓名義の『文学の輪郭』で群像新人賞評論部門を受賞。
1978年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。
以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。
小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。
ライフワークともいうべき一大長編ロマン『グイン.サーガ』は 全100巻を目指して早川書房より刊行中。
主著書:『魔界水滸伝』、伊集院大介シリーズ、ほか多数。


■解説

我々の世代のヲタクにとっては「デフォルト」作家。 一度も栗本の名を聞いたこともなく読んだこともない、という人を私は知りません(^_^;) 好きでない、とか面白くない、という人は居ましたけど。 今ほどファンタジーもライトなSFも溢れていない時代、栗本御大は間違いなくその先駆者でした。 既にあった多くの国産SF、そのファンであった読み手の中から生まれてきた作家さんだと、 私は思っています。同時に、読み手に対して共感を求める、 いわばある意味同人的な作家さんでもありました。 自分でも「あとがき作家」と自称されているほどであり、作品だけでなくあとがきを楽しみに 本を買っていた人も多いはずです。 また、少年愛を扱った雑誌「JUNE」の創生期に立ち会い、そのジャンルを確立させるに至った功労者。 彼女の「JUNEもの」における功罪は計り知れないでしょう。

10年近く前から、念願だった舞台を作られるようになり、演出、脚本、プロデュース全般手掛けられています。
グイン・サーガも二度ほど舞台化されています。

更に、最近では、ご自分でWEBサイトを立ち上げられ、毎日更新されている模様。…なかなかヴィヴィットというか、斬新というか(^^;) ――…パワー溢れるサイトです(^^;)。

◆オススメ作品

栗本さんは多作です。あらゆるジャンル(代表的な作品だけで、FT(HF)、SF、時代劇、 ミステリ等)を書かれています。ただ、どの作品に対しても言える事ですが、それらのジャンルはあくまで 『舞台効果』のひとつにしかすぎない、と思います。どれも、それを本格的に書かれている方、 そのジャンルを徹底的に追究している書き手や読み手から見ると、不充分であり、正確に言えばそのジャンルに該当しないと言えるかも知れません。 でも、それで良いのだと思います。何故なら、栗本薫は、栗本薫の物語を描いているのであり、 (くらげはそれを『栗本レーベル』と勝手に呼んでいます) 彼女の作品群にとって『ジャンル』は、取り敢えず作品を分別するための名札みたいなものだからです。
――というわけで、目安のひとつにしか過ぎないのですが、「こういう作品が好き」な方なら、 「この作品がオススメ」というコーナーです。
下のリンクからは各物語の簡単な紹介へ行けますが、本のデータは別にまとめてあります。
▼FT(ファンタジー)が好きな方
トワイライト・サーガ
▼HF(ヒロイックファンタジー)が好きな方
グイン・サーガ外伝1『七人の魔道師』
▼SF好きな方
短編:心中天浦島(短編集)
中編:レダ(全三巻)
▼時代劇好きな方
吸血鬼〜お役者捕物帖〜
▼ミステリ好きな方
短編:伊集院大介の新冒険(短編集)
中編:グルメを料理する十の方法
長編:絃の聖域
▼ホラー好きな方
▼ハードボイルドが好きな方
キャバレー
▼JUNEと耽美が好きな方(^^;)
長編:終わりのないラブソング(全8巻+1巻)
中編:真夜中の天使(全三巻)
短編:蝦蟇/蜥蜴
▼なんでも良いから面白いのを読ませろという方
十二ヶ月(短編集)
▼管理人の独断と偏見による栗本まいべすと→くらげなページへ

■トワイライト・サーガ

***FT好きな方へオススメ。
国を出奔した美貌の王子と、婚約者を亡くした公子の不思議な旅の物語。
ライフ・ワークである『グイン・サーガ』と同じ世界ですが、時代はかなり違う模様です。 全体的に流れる美しい風景の数々、王子の謎、公子の苦悩、妖しい神々や呪術など、 まさに「剣と魔法の世界」と言えます。ただ、こういうお話には美姫がつきものなんですが、 御大の場合は美姫ではなく美少年というあたりが、いかにも、であります(笑)。
だからと言って物語の良さが損なわれることはなく、却って世界に妖しさや美しさが加わっていて、 男性の方も充分楽しめると思います。(あ、考えたら、回想だけど美姫も出てきた(^^;))
イラストレーターの天野喜孝さんの絵もそれに華を添えており、非情に素晴らしいです。
元々は光風社出版さんから単行本が出ていたのですが、角川に文庫で落ちて、手に入りやすくなっています。
本のデータは≫≫こちら

■心中天浦島(短編集)

***SFファンへオススメ。短編ヴァージョン
ぢつはSF界ではあまり好かれていないという御大。その理由は様々だと思うんですが、SF、というジャンルに対して、 科学的考証やオリジナリティを大切にする方にとっては、確かに食い足りないものがあると思います。 ――がしかし、私にとってSFとは「センス・オブ・ワンダー」…不思議な感覚、わくわくするそれ、であると思っていますので、 そういう意味では、充分SFだなあと思うのです。で、この「心中天浦島」。確かにネタ的には使い古されたモノが殆どなんですが、 その感性のみずみずしさ、物語のせつなさ、SFという存在に対する愛、という点で、凄く素晴らしい作品ばかりです。
遙かな草原に……
遠い未来、人類はある惑星を発見する。母なる星と同じ、美しい光と風と緑の草原の星。そしてそこにいたのは…。
**優しさが哀しい、心しめつけられる一編。何と言われようと名品だ(T.T)某ディズニーキャラは好きじゃないけどね。
ただひとたびの
政府への反逆罪で辺境の無人星へと降り立った「私」。なにかに導かれるように歩いた彼女が見つけたものは…。
**考えたらかなりグロい感覚なんだけど、残されたたったひとつの希望ならばそれも有りだろうなあ。
優しい接触
その星系では長い間ふたつの種族が闘っていた。事故によって敵方の種族と二人きりになってしまったミラは…。
**きついなあ(^^;)哀しいなあ。後から考えるとなるほどーと思えるところがいっぱい。
心中天浦島
相対性理論。スペースマンのテオにとって時間の流れは平等ではなかった。彼がそれほど年をとらないまま、恋人は死に、故郷の時は流れ、時代は変わってゆく…。そして戻ってきた彼が出会ったものは…。
**時の流れって怖いかもしれない。常識ってこんなものなのかなあ。でもアリス萌え(笑)
ステファンの六つ子
全体それ自体である存在である「彼」がいまわの際に為した事。それは…
**受ける側から考えると結構怖いものなんだけど…でもどこかしら希望に満ちあふれているのが嬉しい。
黒い明日
頻繁に起こる子供による親の殺害事件。…友人の里村は何かを感じて恐怖を訴えるが、やがて…
**ぢつはこういうタッチの短編、凄く好き(^^;)SF作家なら一度は書くタイプの「親殺し」ものの類ですけど、御大の場合はちょっと違う結末。
本のデータは≫≫こちら

■レダ(全三巻)

***SFファンへオススメ、中編ヴァージョン。
  時は未来。すべての人間が尊重され、社会秩序を乱そうとする者ですら、その存在を容認される理想社会。 そこに暮らす少年イヴは、なんとも言い様のない感情を抱えていた。彼はある日、強烈な存在感をもつ女性「レダ」と出会う。イヴは彼女に翻弄されながらも魅了され、いつしかシティ・システムにひそむ矛盾に直面するのだった――。
  これはSF。紛れもなくSF。自信をもってオススメ出来るSF。でもってすっごく栗本節(笑)。 御大の才能が見事に咲いた名作のひとつだと思います(^^)。ここでいろんな事を書くと、ネタバレになっちゃうので書けないんですけど(T.T)、 世界の作り方も、ストーリーの進め方も(中盤ダレて後半一気だったとはよく言われますが(^^;))すっごくバランスが取れていて、 なおかつキャラが物凄く強くて、多彩で感情豊かです。SF好きにオススメしたいのはやまやまですけど、SF判らなくても面白いと思います。 ホントにオススメな一編です。
余談:余計なお世話ですが、今の私にとっては、三巻の後書きも嬉しい…(苦笑)
本のデータは≫≫こちら

■吸血鬼〜お役者捕物帖〜

***時代劇好きな人へオススメ。
 「捕物太夫」と渾名される初音座の立女形、嵐夢之丞。 その美しさと謎めいた過去から絶大な人気を誇る主人公が、起きた凶事を見事にさばく、八編の短編から成る「捕物帖モノ」。
  御大の好きな江戸中期、元禄から化政にかけてのあたりを舞台にした捕物帖。いちおうミステリ的な形式に作ってあり、 判じ物として楽しめると思います。でも、何を楽しむかと言えば、やはり「江戸の雰囲気」でしょう。 それは歌舞伎だったり、狂言だったり…そういうモノを下地にした「らしさ」を味わう、というのが一番いいのかも。 歴史の考証をいろいろ考えて読む方にはお薦めできないです。だってこれは「時代劇」であって「歴史物」じゃないんですから。
この後、続編として「地獄島」が書かれているんですけど、そちらは一応一冊の長編になっていて、判じ物とも違う形になっているので、 (いろいろと整合性もなくなってくるし(^^;))こっちがオススメ。また、このシリーズの短編のひとつが、「十二ヶ月」という短編集にも掲載されています。
本のデータは≫≫こちら
発行 タイトル / ISBN 出版社ほか ジャンル くらゲージ
☆=★の1/2
備考
1981 心中天浦島
4-15-030145-X
ハヤカワ文庫JA
JA-ク-3-1
SF短編集 ★★★★☆ 人呼んで「リリカルSF」短編集。
後書きが初々しい、若い…。
1986 トワイライト・サーガ(1)
カローンの蜘蛛

4-04-150015-X
角川文庫
く-2-15
FT ★★★★☆ イラストは天野喜孝氏。
時系列は不明だが、グイン・サーガと同世界。
トワイライト・サーガ(2)
カナンの試練
4-04-150016-8
角川文庫
く-2-16
FT ★★★★☆
吸血鬼〜お役者捕物帖
4-10-
新潮文庫
時代物 ★★★★ 時代物では数少ない「完結した」お話(^^;)
時代モノは時代劇。決して歴史モノじゃありません。
1988 レダ I
4-15-030268-5
ハヤカワ文庫JA SF ★★★★☆ 表紙はいのまたむつみ氏。

最後まで読み通したら、涙が溢れてきた。
御大のSFではこれが最高傑作だい。
レダ II
4-15-030271-5
ハヤカワ文庫JA SF ★★★★
レダ III
4-15-030274-X
ハヤカワ文庫JA SF ★★★★★

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◆何故、栗本薫なのか…

ちょっとだけ真面目。

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◆栗本作品との出会い

…私の場合はこうでした。

その壱・中学生時代

本来読むということが無類に好きだったくらげが、栗本薫というトンデモない作家さんに 出会ったのは、中学生の時です。当時私はSF大好き人間で、友人の貸してくれたSF本や 図書館に置いてあるSFをこよなく愛しておりました。
その中の確か高千穂遥さんの「ダーティペア」の解説を栗本さん…もとい中島梓さんが 書いておられたのが、最初だと記憶しています。
その解説の中で、高千穂さんの「美獣」にふれておられ、ついでに「グインサーガ」について 書いてあったのですが、その頃私は既にコナンやデューン、C.L.ムーアなんちゅう向こう ものを読んでいまして、「日本初の本格ヒロイックファンタジー」と銘打ったその宣伝文句に 見事引っかかってしまったのでありました。
しかし、当時の近くの本屋さんには、ハヤカワといえば海外物しか置いてなく、それから約一年 ほど、くらげは「グインサーガ」という幻の(笑)本を読みたいとねがっていたのであります。
その頃くらげは「美術同好会」という名前の、いわば中身は殆ど「漫研」であるクラブに所属 していたのですが、その後輩がある日何気なく「グイン」の名を口にしました。うぶなくらげは それに飛びつき、その後輩の姉上が持っているという「グインサーガ」1〜3巻を、無理矢理 貸していただいたのです。
感動でした。
面白いよ〜〜〜〜好みだよ〜〜〜〜もっと読みたいよ〜〜〜〜〜〜〜〜
やっとSF本が出回りだした頃のことです。お金などない中学生がとる道はひとつ。
くらげは毎日本屋に通っては、グインを立ち読みし続けたのでした。
ちなみに、なけなしのこずかいを使って1〜3巻を購入。(当然改訂前、何故か初版だった…)
しかし、それ以上は続かず、立ち読みを泣く泣く続けるくらげでしたが、ある日気が付くと まわりの殆どがグインを読んでいたのであります。
ついでに言えば、ある友人はJUNE系を網羅しておりまして、おかげでくらげは、自分のお金が 自由に使える大人になるまで、栗本本を殆ど買ったことがありませんでした。
良い友人に恵まれて、くらげはしあわせものでしたとさ。

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